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2006年6月25日 (日)

国会議員の意識調査

毎日新聞が昨年3月から取り組んで来た「戦後60年の原点」の総括として、全国会議員をを対象に、歴史認識などに関連する設問を準備し、5月中旬からアンケートを配付(衆議院478人、参議院242人)したものを、24日に集計した。

設問は、満州事変以降の対中戦争、対米開戦、極東国際軍事裁判、憲法9条と1、2項、集団的自衛権、核武装や、靖国問題について19の項目に亘って問いかけたものである。詳しい各項目についてここに書くことは無意味で、本紙に任せるが、なによりも驚いたのはこれほどの重い設問に国会議員の47%にあたる議員が回答を寄せなかったことである。中には白紙回答も混じっており、驚くほかない。次の総裁、総選挙を睨んで強引な閉会としたとはいえ、重要審議の重要課題でもあった内容を含んでおり、当然持論を開陳できる格好の設問であったはずだ。一新聞社のアンケートとバカにしたのかどうか知らないが、このような歴史認識に無関心の人たちが日本の国会で暇つぶしをしているのかと思うと余りに情けない。(回収率は両議院で53・8%、衆院58%、参院45%)

政党別に回答者(384人)をみると、
 自民党 163人(回収率 40%)
 民主党 120人( 〃  63%)
 公明党  47人( 〃  85%)
 共産党  18人( 〃  100%)
 社民党  13人( 〃  100%)
 その他  23人( 〃  59%)となっている。

いかに政権党の意識の低さが目に余るものかよく理解できる数字だ。
 加えて個人別に見て行くと、上に上げた白紙回答をしたものが24人もおり、開いた口が塞がらない。◯◯派と言われて徒党を組み、頭目の一挙手一投足に右顧左眄(うこさべん)。己の主張を何も持たず、お頭(かしら)のおっしゃる通りと日和見の陣笠どもだ、と思われても仕方ないだろう。
     〈 衆議院選挙区 〉
  北海道 :町村 信孝  自民 61歳
   〃  :中川 昭一  自民 52歳
  岩手  :達増 拓也  民主 42歳(靖国参拝あるなしで、ある と回答しただけ)
  栃木  :渡辺 喜美  自民 54歳
  千葉  :渡辺 博道  自民 55歳
  愛知  :河村 たかし 民主 57歳
  愛知  :杉浦 正健  自民 71歳
  大阪  :北側 一雄  公明 53歳
  徳島  :後藤田 正純 自民 36歳
  熊本  :松野 頼久  民主 45歳(日本が誇れるものを上げただけ)
  大分  :衛藤 征士郎 自民 65歳
  大分  :岩屋  毅  自民 48歳

     〈 衆議院比例代表 〉
  南関東 :小野 次郎  自民 52歳
   〃  :鈴木 馨祐  自民 29歳
   〃  :長浜 博行  民主 47歳
  東京  :猪口 邦子  自民 54歳
  東海  :藤野 真紀子 自民 56歳
  近畿  :松本 剛明  民主 47歳
  近畿  :市村 浩一郎 民主 41歳

     〈 参議院選挙区 〉
  神奈川 :川口 順子  自民 65歳
  長野  :吉田 博美  自民 57歳
  徳島  :北岡 秀二  自民 50歳

     〈 参議院比例代表 〉
       佐藤 昭郎  自民 63歳
       津田 弥太郎 民主 54歳

以上が白紙か白紙に近い状態で戻って来たものだ。それにしても、自民党の人間どもの回収率40%はどう考えればいいのだろうか。元々自分達は員数合わせの頭数だけの仕事でいいのだから、その都度何色にでも染まることが自分達の本領とでも考えているのか。何事によらず数で決まるのが民主主義なのだから、とでも。

設問の回答と分析は新聞社に任せる。しかし、設問を読み、集計を一目見て、数を頼みとする政権党の問題への無関心さに、末恐ろしいものを感じて記した。
 
 

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