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2006年5月22日 (月)

欠食児童

しばらく目にしなかった活字だ。敗戦後ずっと続いていた貧困生活。食べるものもなく、学校へ弁当を持参することも叶わない子どもが多くいた時代があった。所謂欠食児童だ。

それが飽食の現代に起こっている。毎日新聞(5/15日)から。
この学校は東京都内の公立の小学校だ。校長によると、04年度の春の新入生に体が痩せ細り、元気のない男児がいた。授業中きちんとした姿勢を保てず、ぼんやりしていることも少なくなかった。

昨年4月、児童に話を聞くと、コンビニを営む両親から販売用のおにぎりや菓子パンを毎日のように与えられているという。校長は栄養を補うため、給食の牛乳を冷蔵庫に保管、他の児童に知られないように、校長室で毎日飲ませていた。

その後も児童の食生活に改善は見られず、賞味期限が切れた食品を与えられていたこことも分かった。児童にも好き嫌いがあり、校長がスープを与えても飲まなかった。栄養失調も疑われたため、見かねた校長は今年3月、保護者を学校に呼び出し、「今は成長期で脳がつくられる大事な時期である。きちんとした食生活をさせなあいと困る」と諭した。

母親は「(食事を)作っても食べない」と戸惑っていた。それでは「食べるように(食材を)小さく切るようにしてますか」と畳み掛けると、両親は互いに責任をなすり合い、喧嘩を始めたという

同校には数年前、「1日の食事はおにぎり1個」という児童がいたが、栄養状態が切迫したため施設に保護してもらったという。校長は「家庭の機能低下は現場で実感している。状況は悪化の一途だ」と憂えている。今も、男児と別の児童計2人に牛乳を飲ませている。「家庭の躾けまで学校が引き受けるのはどうかと思うが、(食事の劣悪さは)限度を越えている」。食育基本法が昨年夏施行され、国は朝食を取らない小学生をなくそうと呼び掛けるが、法の理念とかけ離れた現実に学校現場から悲鳴が上がっている。

政府は食育基本法に基づき今年3月、食育推進基本計画をスタートさせた。都教育委の昨年の調査で、朝食を必ず取る、と答えたのは小学生は79・7%、中学生は70・2%、食べない・食べたことがないが小学生5・1%、中学生では11・0% いた。

まるで小児虐待だ。親が親の責任を放棄し、子どもの命をないがしろにする。昔は言われていた。「放っておいても子は育つ」。人情に厚く、世間の連帯意識も強く、道路で遊んでいても殺される危険もなく、友達同士が喧嘩しながら仲間の輪を広げることで成長できた世の中だったから、放っておいても心配せずに済んでいた。

中学生になれば、特に女の子は難しい思春期に入り、目にするスタイル雑誌や、コマーシャルに釘付けになり、成長期の体を知らず、進んで朝食を取らない子が増えることは察しがつく。そのくせ、朝シャンと呼ばれるおしゃれには時間を割き、節食に嵌っていく。親は適切に生活指導することもせず、食べないなら用意する手間が省けて助かる、ぐらいの感覚で子どもの勝手にさせる。お父さんは、或いはお母さんは「仕事が忙しいんだから」、が免罪符になり、大手を振っての理由になる。子どもの健康を顧みずに言葉は悪いが金儲けに精を出す。

持参する弁当に貧富の差がでるから、と学校給食が普及した。貧しい時代はそうやって差別を避けてきた。現在の食料事情や生活水準から考えて、学校給食はもはや廃止してもよい。親は子どもの成長に伴う健康管理に気を配るようになるだろう。昔のお母さんたちは、現在働きに出ているお母さんたちや、女性たちよりも遥かに厳しい仕事をこなしていた。便利に電気で動いてくれる機具は何もなかった。今は便利に慣れすぎて心までが贅沢になっている。心の贅沢には際限がない。1つクリアすれば次にはもっと高い贅沢のバーが見える。贅沢を贅沢と考えなくなる。無くても済ませる贅沢品を買い込み、反面返済に苦しい苦しいと声を上げる。そのための金を儲けなければやっていけない。

振り返って子どもの幸せを考えなくなる。口では「子どものことを考えない親がいるか」と言うが、やっていることは親の勝手なわがままなことが多い。「すまないと思うこともある」と口にするが、結果は同じことで、生まれたばかりでも平気で他人に育児の世話を任せる。乳房を含ませて育てる最初の食事からできていない。

今の世に、欠食児童に学校が悲鳴を上げている。

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コメント

昔の親は良かったのオンパレードは、老人の回顧趣味の
特徴ですね。昔の親って子供をジョウロウヤに売っていた
でしょうが。その親達は、子供がどんな目に合わされる
のか承知の上で、家の借金を背負わせて。つい、こないだ
ですよ、赤線がなくなったのって。(昭和33年)

コンビニを営む両親は、多分、サラリーマンで
人に使われるのはもう嫌だと、始めたのだと思う。
子供を人に預けて母親が働く事はけしからん、とは
この男尊女卑、家制度を今だに引きずる日本らしい
光景ですね。ジェンダーの問題がそこにある。

子供は夫婦で育て、老人介護はその血の繋がった子供
がやるものです。何もかも、女の只働きでやらせよう
とするのは、途上国福祉というものです。
男尊女卑の強い国は、男の間でも序列がきつく、
生まれによって何もかも決められてしまう封建社会
ですよ。

この件名の両親は、食生活については改善しなくては
ならないし、その子供のそれ迄の育て方には大いに
問題があったでしょう。でもそれをひとくくりに
昔は良かっただの、母親達がけしからんだのとする
のは間違いです。
(管理人さん自身、子育てにはどの程度かかわって
きましたか?昭和初期って、もう普通に惣菜屋があった
そうですね。あなたは、昭和2年の生まれ?それとも
男女平等教育を受けられるようになった昭和9年の生まれ
ですか?その間?)

それから、昔の日本の家庭では、夫の暴力、浮気は
当たり前。常識でした。女は男の1/3の価値しか
ない。女の家族は男の残り物を食べる…というのが
戦前の光景。あなたの家でも、父親とその他の家族で
は、食べるものに差がつけられてなかったでしょうか?

それが、『いい時代』ですか?

投稿: Yamaki | 2007年5月 6日 (日) 15時39分

Yamakiさん、コメントありがとうございました。
URLをお持ちでないことも想定されるので、当欄でご挨拶いたします。

老人の懐古趣味とのご指摘ですが、2005年5月以降、514件の記事の中で、それに該当するものを書いた記憶はありません。ご指摘のとおり老人ではありますが、男尊女卑を懐かしむこともしませんし、“昔は良かった”を書いた記憶もありません。それどころか、常に昔を反省した内容で統一しているつもりです。昔を『いい時代』と表現した記事はどこに見いだされましたか?ない筈です、そのように思ったことはただの1度もないからです。

現在の崩れ来った世相を招いたそもそもの原因は、私たち昭和一桁の世代であることを熟知しているからです。敗戦による価値基準の転倒は、その後の復興に熱中すること以外には頼る物を失っていました。それが家庭を顧みない現在の風潮の原因となったことを反省し、少しでもこれからの世代に役立てばと、標題の「独断と偏見」を掲げて好き勝手を言って来たものです。その当時の私たち世代の責任については、これまでに何件もブログで述べて来ました。

お伺いします。お説は男女共学の始まりを昭和9年と記されましたが、当時は『男女7歳にして席を同じうせず』の真っ最中であり、それを体験した世代です。Yamakiさんの勘違いでしょうか、タイプミスでしょうか。

それと「昔」をどこまで遡った論戦をお望みなのでしょうか、人身売買も、赤線も“欠食児童”とは別のテーマにした方がいいかと思います。現在の価値観で昔を批判しても何の益もありません。或いはまた、ジェンダーについてもジェンダーフリーについても何件も述べて来ました。お暇な時にでも立ち寄って下されば有難いことです。

投稿: 小言こうべい | 2007年5月 7日 (月) 00時43分

yamakiってやな女だね~。こういう人がいるかと思うと日本もおわりだね。あまりひどいのでつい書き込んでしまった。

投稿: kazamux | 2009年1月24日 (土) 10時47分

今時のママたち産めや殖やせや。とりあへず何も構わず快楽優先生中出し。所得雇用状態なぞ構わないから、働くのに託児施設が必要だから、作れと無責任にキレてる。躾すらしないのに託児施設へ放り込んでクレームだけつける。親がせなならん事すらして無い。そのうち、育児も派遣になるわ。食わせる飯は百円マックと居酒屋のツマミ。ママ友同士で、ガキ放し飼いにして煙幕はって飲んだくれてる。育児までアウトソーシングしてるつもりやから、気に入らんと狂ったよにクレーム入れる。

投稿: 傍観者 | 2015年11月13日 (金) 15時47分

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