知財侵害輸入品差し止め
毎日新聞(4/8)から
知的財産権を侵害した(偽ブランド等)輸入品の差し止めが、05年は1万3467件(前年比47・3%増)と過去最高を更新したと、5日、財務省は発表した。この差し止め件数が激増した背景には、通常の税関を通らずに発送元が突き止め難い国際郵便を使う「小口化」が、ここ3、4年急増しており、昨年は差し止め件数全体の96%を占めたことによる。
ウォール・ストリート・ジャーナは2004年、全世界の偽物市場の規模は5,400億ドルに達することを報じた。05年度、日本に入って来た輸入差し止め件数は、記録が残る87年度以降で初めて中国が韓国を抜き最多となった。差し止め全体のうち、件数ベースでは殆どが偽ブランド品など商標権の侵害に関するもので、前年比2・5倍の6,829件に達している。点数ベースでは5・8%増の109万7,400点になっていて、こちらも商標権侵害は2・5倍の61万1,100点となっている。
差し止め品の内訳は、点数ベースで欧米の高級ブランドを模造したバッグ類が前年比1・5倍の約25万点で最も多く、全体の23・1%を占めた。アニメなどのキャラクターを採用したゲームカードや玩具なども約7万点と前年より4・7倍も増えた。
輸入元は中国が前年より1・9倍の6,278件で全体の半分近くを占め、初めて韓国の6,045件を逆転して1位になった。
日本政府は03年、知的財産戦略本部(本部長・小泉純一郎)を設置し、海外からの偽ブランド品流入を防ぐため、税関での検査を強化したり、相手国に模倣品・海賊版対策を徹底するよう要請して来た。今月2日には、中国と税関相互支援協定を結び、知的財産権侵害物品や不法薬物などを取り締まるために情報交換を行う枠組みを設けた。しかし、同協定を04年12月に結んだ韓国からの偽ブランド流入に歯止めは掛からず、05年の差し止め件数は前年比3割増にもなった。差し止め件数の急増は、取り締り徹底の成果ともいえるが、財務省では「模倣品が次第に精巧になっている上に、小口郵送など新たな手口もどんどん出て来る」と云い、検査技術の高度化や国際的な連携の必要性が一層高くなっている、としている。
何故これほど日本に偽ブランド品が入って来るのか、その前提には日本を狙ったブランド品メーカーの進出がある。世界でも有数のブランド品消費国である我が国は、不景気が続き、格差社会が口にされてもなお、銀座には次々と世界のブランドを冠したビルが建ち、高級商品がショーウインドを飾る。何を持って来ても羽が生えて飛ぶように売れる。犬畜生にさえ着せて見せたり、連れた犬に人相まで似て得意がる。こんな国民性、金儲けに目先の利く利口な人種が騙すには、本物そっくりの物を作って見せるだけで良い。いとも簡単に引っ掛かる。或いは少々お高いものは『もどき』で我慢できる手合いは幾らでもいる。ルイビトンもどき、シャネルもどき、グッチもどき、ティファニーもどきなどなどだ。ブランド、レジャー、グルメを追い掛ける連中は掃いて捨てるほどいる。如何に取り締まっても、偽者に対する何とも思わない無神経さがあるうちは日本はそれらずる賢い人種が金儲けできる良い国のままだろう。
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