「新庄」引退
朝早く、妻が鼻をくしゅくしゅさせながら話し掛けて来た。「新庄が辞めるんだって」。70歳を過ぎる彼女は、結婚する前から根っからの阪神タイガースファンだ。「ニュースを見て悲しくなった」という。彼、新庄がアメリカに行こうと、北海道に行こうとずっと阪神の新庄のままだ。藤井寺で生まれ育ち、近鉄がまだ藤井寺球場をフランチャイズにしていた頃から、近鉄ではなくて阪神贔屓だったらしい。勿論今でも贔屓筋に変更はない。
今年のペナントは、現在巨人が独走の気配で走っているが、冷たいもんだ。「パ・リーグの選手のお陰、小久保、小坂、リー、豊田、パウエル、工藤たちの力で勝ててるんや」ときた。「ロッテのバレンタインは阿呆や、あんな優秀な選手たちを売るんやから」である。
しばらく前から燻っていた村上ファンド、金儲けに抜け目のない株屋だ。大阪の街は早くもヒートアップしそうな勢いだ。大阪在住の芥川作家の玄月さんは「よもや『阪急タイガース』になるようなことはないでしょうね。そんなことになったら、長年のファンとして、ただではすませませんよ。子どものころから、ただただ阪神タイガース一筋で来たのですから」と力説する。阪神電鉄株45・73%(保有株の時価2000億円)を持つ村上氏について、阪神ファンの宮本勝浩・関西大学大学院教授(数理経済学)は「最初から株を高く売って利鞘を稼ぐ、それだけだったのでしょう。確かに、球団株の上場は面白いアイデアだったが、注目を集めて株価を上げる狙いだったのでは」と指摘している。元阪神の江本孟紀も「阪急タイガースはありえない」と強調し、現状に苦言を呈する。「広告宣伝のために一つの親会社が球団経営する形は限界に来ている。米国のように、複数の企業や個人がオーナーグループを作り、地域に密着した球団経営を考えるべきだ」という。
阪神株騒動は、プロ野球の未来像にも一石を投じそうだ。
夕方のニュースで東京・JR山手線で、今の所一輌編成の試みだそうだが、社内のディスプレイでプロ野球の巨人戦を映すという。巨人ファンには嬉しいニュースになったが、アンチも多い。迷惑がられることにもなるし、野球に関心のない女性や老人には乗り合わせた不幸を恨むことにもなりかねない。或いは酒癖の悪い連中同士の車内でのマナー無視の喧嘩騒動も心配される。
因に、私には現在贔屓にするチームがない。野武士集団の『西鉄』が消えた後は野球が面白くない。
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