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2006年4月18日 (火)

小学生に英語教育は

毎日新聞(4/18)“暮らし豊かに 役立つページ”から
取り上げ方が中途半端、筆者もいい加減だ。
ブログのタイトルについて、賛否を問うアンケート(MNS毎日インタラクティブへのネットと携帯電話での投票の形を取っている)の集計になっている。

大きく記事の中央に『ゼロサムじゃないよ』と書かれていて目を引く。横文字に疎い私には初めて目にする言葉である。何時ものように、早速意味を知ることから始めた。
Zeroとサム、零とサム、全く理解出来ない。サーフィンしてみた、[zero-sum]があった。sumは使い慣れた計算式の言葉だった。結局[零と合計]でも解らない。私が初めて知る日本語があった。‘零和の’と書いてある。次の解説でやっと理解できた。
《ゲーム理論・政治などで、一方の得点が他方にとって同数の失点となり、その和がゼロになることをいう》とあった。差し引きゼロではないらしい。勿論、プラマイ、ゼロでもない。
       必要     不必要
  男性  49.9%     50.1%
  女性  51.6%     48.4%
       (有効投票数10333 男性5400 女性 4933)
必要派の意見としては「やっておけば後が楽」「早いに越したことはない」があり、
反対派は「日本語を大事に」「読み書き、トレーニングをしっかり」などがある。しかし、かなりの数のコメントの大多数が反対意見で、母国語である日本語をちゃんとすべきという少々感情的な意見が大半であったという。

アンケートの設問で、ネットと携帯では年齢区分に違いがあり、全体の集計だけがまともな反映で、年代別にはそれぞれのパイが不明。
【毎日インタラクティブ(男1420 女1974)】
        必要  不必要      
  全体    50.7%  49.3%     
   男    38.2   61.8      
   女    50.0   50.0      
<年齢別>                
 10代以下  49.6%  50.4%  
 20代    50.1   49.9
 30代    46.5   53.6
 40代    42.2   57.8 
 50代    36.2   63.8 
 60代    37.1   62.9
 70代以上  38.8   66.2

【携帯での回答(男3980 女2959)】
        必要    不必要
   全体   53.5%   46.5%
    男   54.0    46.0
    女   52.7    47.3
<年齢別>
 20歳以下   42.9%   57.1%
 21〜30歳  51.9    48.1
 31〜40歳  56.0    44.0
 40〜50歳  53.5    46.5
 51〜60歳  53.0    47.0
 60歳以上   48.1    51.9
と、それぞれなっている。

記者のまとめはこうだ。英語教育=グローバル化の単純な思い込みに反対する気持ちはわかるけれど、その時間を日本語教育に使ったところで、それほど小学生の日本語力が向上するとは思えない。教育は一方が上がれば、残りは下がるゼロサムではない。一つの外国語を学ぶことが、その分だけ母国語教育のマイナスになるというのは、やはり誤った判断ではないだろうか。

記者は、文科省のいう英語教育が日本語教育の時間を減らしておこなう、という捕らえ方をしているようだが、例えそうであったとしても、国語の時間だけが日本語教育ではない。算数の時間だって生物の時間だって日本語の教育になるのだ。それに自分自身、ゼロサムなる言葉を使って日本語で説明することができていない。私はそうだったが、おそらく高年齢者の中にはゼロサムという言葉が理解できない人は多くいるはずだ。だから外国語が必要なんだ、とでも記者は云う積もりなんだろうか。反対者も外国語を学ぶことが母国語教育のマイナスになる、とは誰も云っていないと思う。誰がそのような判断をしているのだろう。記者の勝手な思い込みに過ぎない。手元に集まった回答者の意見の中にそのような意見があったのなら、示すべきだ。誤った判断をしているのは記者自身じゃないのか。


街に溢れる日本語ならぬ日本語。途切れ途切れに尻上がりに喋る幼児そくりの会話。とかー、とかー、でぁー。携帯やネットでの仲間同士でしか理解し合えないことば。会話の相手に関係なしにお父さん、お母さんで、父や母が言えない大人。仲間同士でないと通じ合えない言葉。全く敬語が使えない大人。現在でもすでに乱れ切っている日本語。母国語は、学校以上に家庭での会話で訓練されなければならないが、その親たちの日本語が怪しいのが現実だろう。映画や芝居の脚本家たちでさえ間違った言葉を平気で役者に喋らせているのだ。何が正しい日本語なのかわからなくなってきている。「ら」抜き言葉は最早標準語の範疇に入っているかのようだ。

これから先、「国際化」が大手を振って英語が必要だということになるのだろうが、国際化で必要な日本人が必要なのは解るが、それが日本人の大多数ではないのだ。私は原則不必要の立場だ。

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