ゆっくり走ろう
苦肉の策か妙案か。パリの市議会で27日、パリ市内の一般道の制限速度を従来の時速50㌖から30㌖に低減させる案を採択したとある。(毎日新聞3/1夕刊)
市内の騒音対策の一環で、市環境局のコンタッソ氏は「騒音削減には車の総量規制より速度低減の方が効果的」と見ている。騒音防止効果のある路面加工を施す措置と共に、今年7月に試験実施したあと、最終決定する方針だ。一般道路の速度制限だけではなく、環状高速道も現在の80㌖から50㌖に減速させる。
野党・社会党のドラノエ市長は01年の就任以来、車で飽和状態のパリ市を「公共交通機関を利用し、自転車で走れる街」に変えようと、バスレーンや自転車道の設置を進めてきている。
早くはギリシャのアテネが多過ぎる車の排気ガスによる酸性雨の影響から、世界遺産のパルテノン神殿の痛みが激しく、神殿の修復をすすめる一方で、市内に乗り入れる車の規制を考え、自家用車のナンバーの末尾の数字を奇数と偶数に分けて乗り入れることの可能な曜日を決める方法を採択している。
日本でも過密状態にある交通網は規制する必要があるだろう。特に東京の地下は地下鉄で蜘蛛の巣状態に縦横無尽に張り巡らされ、交通手段の選択肢は有り余るほどある。最低限食糧食品輸送のためのラインは止められないが、マイカーの過密地域への乗り入れは厳しく規制の必要があるのではないか。地球の温暖化の一因に、道路を完全舗装することがある。確かに水溜りの道路よりも舗装された道路は快適な走行ができる。しかし、土壌剥き出しは、降る雨を吸収し、地下水を潤沢にし、地表の温度の上昇をコントロールしてくれるのだ。鋪装することで雨水の吸収を断ち、少しの降雨で水害を引き起こす。地下に巨大な貯水槽や水路を設けて観光化するよりも、不要な舗装路のコンクリートやアスファルトを剥離するほうが余程地球に優しい街づくりができると思うがどうだろう。
排ガス、騒音、交通事故の対策に、取り外した市電を復活させることに取組んでいる国もあるのだから。
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