金、金、金の育児
毎日新聞(2/2)朝刊から
東京都千代田区は1日、妊娠5ヶ月の胎児*から高校卒業年齢までの区民に、所得制限なしで育児手当てを支給すると発表した。
*妊娠5ヶ月とあるのは、胎児の生存可能な時期(22週、155日)を指し、“日本の法律”でいう「胎児は母体外で生命を保持することができる」と見做されている期間を云い、それよりも短い胎児は“法律的”には中絶すれば産業廃棄物として処理され、生命あるものとは解釈されていないゴミなのだ。
国が4月から0歳〜小学生に支給する児童手当の拡充策で、区の予算額2億5,800万円を4月から支給することになるが、高校生までの支給は初めてになる。国は従来小学3年生までを支給対象にしていた月額5,000円の児童手当を6年生までに広げ、第3子への1万円の児童手当も同様だ。
千代田区は国に魁けて04年度から支給対象を独自に小学6年生までに広げてきたが、今回は胎児、中・高生にも拡充すると同時に国の所得制限では区の半分の世帯しか対象にならないとして、所得の制限を撤廃した。
支給額は 妊娠中の女性1人につき 5.000円/月
未就学児 〃 5,000円/月
小学生 〃 6,000円/月*
中・高生 〃 5,000円/月
(*第3子から1万1,000円)
と、なっている。千代田区は04年度の出生率が0.82で全国平均の1.29を下回り、少子化への配慮が今回の施策に現れているのだろうが、蝦で鯛を釣るように何でも金をやれば良い、というものではあるまい。‘心も金で買える’と云った人間が今どうしているか、考えてみるがいい。
苦しい、苦しいと云いながら、最近(2000〜2004年)5年間で日本人が海外旅行に出かけたのは延べ8千万人を超えているのだ。金の亡者でなくても金はあればあるほど助かる。日本女性が子どもを産まず、少子化に歯止めが掛けられない理由は金だけの問題じゃない。苦しくてもブランド物の消費は長い間世界のトップを守り続けていた。どこの家庭にも女性がおれば(20〜60歳)90%の人たちは何らかの高級ブランド品を所持しているとの調べ(セゾン)さえあるのだ。児童手当を上げればそれらブランドの購入資金の足しになったり、そのクリーニング代金の足しに換わることさえ考えられるのだ。勿論困窮を極める母子家庭のあることぐらいは承知している。千代田区のように所得に拘わらず、というのはやはり行き過ぎだろう、もっと緻密に家庭環境を調べ(個人情報の取扱いの問題もあるが)た上でそれぞれの家庭に合った施策を講ずる必要があるだろう。
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