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2006年1月26日 (木)

修学旅行で不祥事

毎日新聞(1/26)朝刊から
昨年11月に修学旅行先韓国のソウルで、高知県須崎市の明徳義塾高校2年の生徒5人が万引きをしていたことが、発覚した。生徒5人はいずれも同校の野球部員で、この学校は高校野球ファンなら記憶にあるだろうが、昨夏の甲子園の全国高校野球選手権の開催直前に、部員の暴力行為で出場を辞退して昨年8月から6ヶ月間の対外試合禁止処分を受けていた高校だ。当然処分期間は延長されて尚1ヶ月の対外試合禁止処分が課された。(1/25)

日本学生野球協会によると、5人は宿泊したホテルの売店で時計他を精算せずに持ち出していた。商品が減っていることに気付いたホテル側が学校側へ連絡。5名は自ら名乗り出て返却し、謝罪した。

私はこの問題を違った面から見てみたい。
“石川や濱の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ”と云ったのは釜ゆでの刑に処せられた盗賊、石川五衛門が処刑の前に詠んだと云われる句だが、高校生に限らない。砂浜の砂が尽きても泥棒がいなくなることはないだろう、と。幾千年の後までも恐らく地球の命が果てても(まだ30、40億年あるが)育て方によってはこの高校生のような悪ガキがいなくなることはないだろう。世間がどんなに正義をかざして見ても、他人がどんなに説法しても高校生にまでなっていれば聞かないやつは聞いていない。もう性善説では制禦できいないところに来ているのだ。

恐らく野球をやって甲子園でプレーできる子たちは小さい鼻っ垂れの頃から人並み優れた運動神経を持ち、球を追い掛け、走り、投げては打つことにも稀なセンスを発揮して成長してきたと思われる。大勢の子どもたちから抜きん出て選ばれ、周りからはわいわいと囃し立てられ、大事にされ、仲間からは一目置かれる存在として目立っていただろう。少年野球チームでプレーする近くには、わが子自慢の母親(多くは母親が圧倒的に参加する)や、時には父親が参加し、一挙手一投足に拍手喝采の賛辞を与えていただろう。

この過程の中で親のしなければならない最低限の子どもへの躾がどれだけなされたか。球がどれだけ遠くへ投げられるか、如何に速く走れるか、ヒットを何本打ったか、三振が幾つ取れたか、だけが興味の対象になり、運動神経が優れているだけでは何も優れた人とは言えない、人間の基礎を、人の価値を、人の心を、情けを、物の道理を、善悪、社会の仕組みを教えて来たか。大きくなるに連れてちやほやされる自分を優れた人間と思い込み、他人を見下すようになる。体は大きい、攻撃される懸念は他の人よりも小さい。現在の13歳、14歳は体だけは母親よりも大きくなっている。もう母親が云う耳に痛いことなど聞く耳を持たない。この時期ではもう手遅れになっている。教師でもだめだ、気心知れた仲間同士でないと何も通らなくなる。その仲間が全く同じように親からの躾を受けていない。いや、そうじゃない、親が何も教えられないのが今の日本の親たちの実態なのだ。朱に染まれば赤くなる、似たもの同士の仲間が膨れ上がって行く。

高校生にもなれば色気もつく、殆どの選手が眉を剃り(甲子園に並んだ時の顔を見ればよい、一時代前のやくざと見間違うような殆ど眉を剃り落としたヤツもいる)世の下らない流行を追い掛け、長髪を垂らしたやつこそ見当たらないが、それが格好良いと思い込んでいる。まだまだ半人前が一人前のような錯覚をする。目に見えるこれさえも親は知らん顔でいるのだ。 中味は耳にピアスをしたスラッガーと呼ばれたプロ野球選手が出たが、憧れのチームをお払い箱になっても尚他から声を掛けられると女々しい姿で縋りつき、言い訳がましい言葉を吐くのと同じように、眉を落とし、如何にも俺は、の高校生が、試合に負けると女の子同然めそめそと泣いてグラウンドの土を書き集める。泣くような試合なら始めからしなければ良い。勝負の世界には必ず勝者、敗者があるのだ。それさえも理解出来ない頭で世の中が渡れるものか。私は負けて泣く高校野球など大嫌いだ。汗と涙を売り物にして書きまくるメディアも頭が変だ。

要は現在の親が親でいる限り、子どもは無責任なままで良いも悪いも判断できないまま成長(とは呼べないな)していく。高野連でもない、学校でもない、教師でもない、監督でもない、先ずは親がしっかりと子どもを育てることだ。そうすれば外国へ行ってまで盗みをするような恥っさらしな子にはならない筈だ。親は子のやったことの責任をしっかりと認識するべきだ。

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受信: 2006年2月 4日 (土) 22時07分

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