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2006年1月25日 (水)

急増するベビーホテル

毎日新聞(1/23)夕刊から
児童(乳幼児も含む)を夜間も預かる認可外保育施設「ベビーホテル」の施設数が最近10年間で3倍に急増している。一方で国が定めた指導監督基準に適合している施設は、01年度以降4年連続で2割台しかないことが厚生労働省の調べでわかった。自治体による指導後の改善率も4割に満たないため、厚労省は指導の徹底を指示する方針を決めた。少子化対策が国の大きな問題となる中、保育環境の整備の遅れが改めて浮き彫りになった。

保育施設には児童福祉法第35条に基づき、区市町村が設置した施設、又は、民間事業者が認可を受けて設置した施設である「認可保育所」と、「認可外保育所」(行政の認証、認定があるもの、認証保育所・保育室・家庭福祉員と、行政の認証、認定がない事業所内保育施設・院内保育施設・ベビーホテル*・その他の施設とがある。

*ベビーホテルとは、認可外保育施設のうち
 ① 午後7時以降の保育を行っているもの
 ② 児童の宿泊を伴う保育を行っているもの
 ③ 時間単位での児童の預かりを行っているもの
のいずれかに該当するもので、他の分類に含まれないものをいう

厚生労働省によると、
 95年度 施設数  511ケ所  児童数 約14,000人
 04年度  〃  1587ケ所   〃  約30,000人 に達した

一方、自治体が04年度に立ち入り調査をした1,528ケ所のうち基準に適合したものは303ケ所であった。指導監督基準は職員の資格や施設の設備、災害への安全対策、利用者への情報提供などを定めている。
調査で不適合(複数の場合も)とされた項目で最も多かったのは
 健康管理と安全確保「感染症の対応」---  764ケ所
 非常災害に対する措置「非常口の設置」-- 559ケ所
これら不適合の施設に対して都道府県では必要に応じて文書指導から施設閉鎖命令までの措置で改善を図るように指導する。
 04年度の文書指導は1,004ケ所に上り、改善勧告も一ケ所あった。ただ、前年度に指摘を受け04年度に改善が確認された施設は約36%で指導効果は十分ではない。
基準は01年度に強化されて以来、適合施設は
  01年度 22%
  02年度 20%
  03年度 24%
  04年度 20% に留まっている。

法的規制のないベビーホテルでは、場所、料金、保母の数から食事の内容まで、すべて経営者の腹1つで決まる。経営者が元キャバレー業者であっても、不動産業者であっても、ラーメン屋さんでも、水商売をしていた人でも園長になれる。
しかし、保母として働くとなると過酷な条件が待っている。児童を預かるからには夜の仮眠も殆ど取れない、2時間も眠られれば良い方だ。仕事は子どもの食事や入浴、排便、就寝の世話以外にも掃除、洗濯、買い物、蝶理から後片付けもある。計算事務までやらされる。

実際のベビーホテルはどのような人たちが利用しているのだろうか。午後7時以降の保育に頼らなければならない親の仕事は、或いは子どもを宿泊させなければならない親の職業は?
実態は母子家庭から親が息抜きするために預けられる児童もいるのだ。
生後2ヵ月半で預けたまま10ヵ月、時々見に来るだけの母親、或いは1年、2年ベビーホテルに放置されたままの子、日曜日には迎えに来ていた母親が3ヵ月経過した頃からばったり来なくなる。
最近の出生率の低下は公立乳児院も擁護施設も定員われが目立つ。公的施設が空いているのになぜベビーホテルが求められるのか。認可外と云うだけで碌な実態調査もしないで受け皿だけをあれこれ云っても良くはならない。

毎日新聞は‘災害や感染症対策、基準たった2割’と書き、『子供の安心置き去り』と大書しているが、わたしには子供を置き去りにしているのは親の方に思えて仕方ない。


 

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