コンビニ子育て
毎日新聞(1/5)から
1月4日、コンビニのローソンが働く女性のために託児所を併設した24時間営業の「子育てコンビニ」を今春にも都内に開業することを明らかにした。企業内託児所は認可外保育施設にあたるため、規模に応じ保育士か看護師を配置し「できれば託児所は無料にしたい考えである」としている。
思い返せば歌手のアグネス・チャンが前年の結婚で生まれた乳飲み子を連れて翌1988年2月9日に『なるほど!ザ・ワールド』に初出勤したことに端を発した「アグネス論争」と呼ばれ、問題提起に終わった騒動があった。
アグネスの子連れのテレビ出演に大御所の淡谷のり子が口を入れた。3月20日「芸能人は夢を売る仕事、子連れでは所帯じみてよろしくない」と。続いてサンデー毎日4・28号で中野翠がアグネスを批判、次いで週刊朝日が6・17号でアグネスのリサイタルに対する揶揄記事を掲載。翌週の6・24に慌てて訂正記事を。ここに7月9日、三文文士の林真里子が口を挟んだ。9月11、中央公論でアグネスが反論した。翌年2月19日、参議院でアグネスが女性の育児についての意見を開陳。4・10林真里子が再び文春に書いた「いい加減にしてよアグネス」と、ただヒステリックにアグネス嫌いを語っただけ。5月に入って16日、上野千鶴子(現東大大学院教授)が朝日新聞にアグネス擁護の論陣を張った。続いて5・19日、竹内好美が朝日ジャーナルに「会社に託児所」を要求しない働く女性の論理で両派を批判した。この一連の論争は流行語になり、「アグネス」流行語大賞大衆賞をもらっている。
私は何度にも亙って現在の託児所の不要論を述べて来た。これ以上母親の温もりを知らない子を増やすべきではない、と。ただの手荷物一次預かりになって親が働くために子どもが犠牲になっている現状では、親子の断絶を招く温床になるだけだと。乳飲み子は母のスキンシップで育てるのが絶対に必要だ。哺乳壜でしか乳が与えられない父親ではどう頑張っても乳房の代わりは勤まらない。父親の育児休暇など何の役にもたたない。まして他人に預ける育て方では母親の代わりも父親の代わりもできない。乳飲み子は母の乳房で育てるのが一番だ。そのためには痩せることに血眼にならず、しっかりと母乳の出る体を作るべきだ。世の中もサプリメントだ、あれもこれもだ、と金稼ぎだけを考えないで、骨と皮だけになって町を歩く女性じゃない健康的な女性を“美しい”と評価してほしい。
竹内好美が15年も前に女性がアグネス論争に口を挟まなかったことの理由に「会社に託児所が併設されれば育児は女性だけのものになり、男の協力が得られない」ということと推理した。論争はそこまでで何時の間にか沈静化した。すでに女性の職場進出は目覚ましく、女性の働き易い職場作りは国の方針ともなって大きく動いていた。女性の要求には男たちがついていけないほどの勢いで各方面が整備されて行った。携帯電話のない時代、残された子供達は家に閉じ込められ、鍵を掛けた部屋で両親の帰りを待つことになったが、幼い子どもの失火や事故が相次いで益々働く女性のために施策が整備されるようになった。
一方フリーセックスの国のような男女間のモラルは結婚前の妊娠が当たり前のことになり、簡単に離婚し、結婚に結びつかないままに母子家庭を増やし、子どもを置いてでも働かなければ生活できない環境を作り出した。今回のローソンの託児所は店内で働く母親のための施設でいわゆるアグネスが先に実行した乳飲み子の間は母親のスキンシップが必要とした考えが前提にある。国情に違いはあるが、アメリカ辺りでは3歳になっても乳房を離れない子には飲ませると聞いた。天才にも真似のできない母親だけの特権だ。
父親が育児休暇を取るのは子どもが乳房を離れてからでいい。動物の子から人間の子になる成長期だ。しっかりと愛情を注ぎ、協力すればいい。ローソンの新浪剛史社長は「女性が社会で働ける環境づくりが必要。長い目で見れば、そういう企業が社会に受け入れられていく」と話している。大賛成だ、これを切っ掛けに企業内の託児所併設の推進が始まれば快哉を叫ぶ。
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コメント
竹内好美さんおげんきですか。再婚しました。元小中幸枝です。近況お知らせ下さい。
投稿: 田中 幸枝 | 2006年1月21日 (土) 12時31分