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2005年12月20日 (火)

ボリビア大統領選挙

毎日新聞(19/20)朝刊から

18日、反米左派「社会主義運動」の頭首モラレス氏が当選し、勝利宣言を行った。
アメリカ国務省の報道官は投票前に「モラレス候補が勝利すればアメリカはボリビアとの関係を再考する」と懸念を示していた。アメリカCNNはモラレス候補の躍進を「アメリカにとっての『悪夢』が選挙をリード」と伝えていた。得票数が50%を越える圧倒的な支持を獲得し、相手候補のキロガ氏は「モラレス氏の勝利を祝う」との敗北宣言を出している。氏はキューバのカストロ国家評議会議長やベネスエラのチャベス大統領の支援で反米色を明確に表明し、コロンビア、ペルー、ボリビアでの米軍によるコカノキ栽培の撲滅作戦の撤退を公約として打ち出していた。

モラレス氏は2006年1月22日に就任するが、アイマラ系先住民のモラレス氏はコカノキ栽培農民の代表として政治運動を始め、02年の大統領選挙の際には2位になっている。現在の天然ガス開発に関しては再国有化を求めて先住民運動の先頭にたっていた。氏は1825年にスペインから独立後初めての先住民の大統領となる。植民地時代は銀が、9世紀にはゴムが、20世紀に入っては錫であった主要産業から現在、天然ガスが経済再生の原動力となっているが、国内の主要都市の半分近くが標高2000m〜4000mに位置していて、アンデスの痩せた高地では主要産業がコカノキの栽培で生計を維持する農民が多くなる。生産されたその多くが北米に流れるドラッグに悩むアメリカは、1998年資金援助を行うことでコカ根絶プログラム「尊厳のための行動計画(Plan Dignidad)]の実施とともに、政府の抑圧は激しくなった。アメリカの訓練を受けたボリビアの軍は、主たる収入源を死守しようとするコカノキ栽培農家と衝突することになり、武装した兵士たたちが計画に抗議する人たちに向けて発砲し緊迫の度を増していた。

約880万人のボリビアの人口構成は、先住民55%、混血32%、白人15%だが、政権や議会は今も欧州系白人が主体になっている。このため先住民は「長年搾取されてきた」との思いが強く、選挙でのモラレス氏の得票の伸びを加速させる要因になったと見られている。

以上私見を交えながら新聞記事を追い掛けたが、やはり連日取り上げる恐らくは若い現代青年がしたため、推敲し、構成したであろう記事になった。随所に意味の通じない『など』が接続詞のように煩わしく挟まれて文章が続いて行く。「とか」同様日常会話で耳に馴染んでしまって言葉本来の意味を理解できないままに活字にしている。或いは読む側もさして気にしていないのかも知れないが、国語の基本の問題だと思っている。

ここで選挙の味方になったともとれるコカノキの栽培について書いておく。
コカ葉とはコカ潅木(エリドロックシロン」属のすべての植物をいう)の葉をいう。もともとは高山病予防のために使用されて、先住民の文化と民間薬において重要な役割を果たしてきたものである。コカから抽出したアルカロイドを精製して麻薬である習慣性化合物のコカインが作られる。これは世界の大抵の国の法律で禁止されている薬物である。
しかし、コカ葉をライムや灰とともに嚼むと活性成分が少量遊離されて強壮剤となり、寒さ、疲労、栄養不足を緩和し、長時間元気に働くことができるという。またコカの葉は吐き気、嘔吐、高山病の回復を促進するために使われ、コカインも合法的には局所麻酔薬として通常の医療に使用されている。

余談になるが、専ら“百薬の長(だが万病の元)”ともてはやされるアルコールは、ヘロイン、コカイン、覚醒剤、マリファナ、LSDなどと比較した場合、その薬物性はコカインや覚醒剤、マリファアナ以上のところにあるのだ。【WHO:世界保健機関の発表】
(アルコールの依存性)
 精神依存 ドラッグ無しではいられない気持ちになる
 身体依存 身体がドラッグ無しではいられなくなる
 耐性形成 ドラッグの量がどんどん増加する

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