小中学生の肥満対策
今、小中学生の肥満の増大が云われている。
自民党 NEWS PACKETによる。
昭和57年度と比較して2004年度は、小学6年生で7.1%から10.8%に。
勿論子どもたちの食生活は第1に家庭の問題ですが、家庭だけでは背負い切れないのも事実です、と書いているが、家庭以外に子供達の食事管理をする場所はどこだと云うのだろう。ジェンダーフリーの旗を掲げて女性の職場進出を奨める政策では専業主婦はますます肩身を狭くし、数を減らし朝食どころか乳房からの母乳にありつけず、スキンシップのない乳飲み子さえ増えることになる。社会に出てからは朝食を、昼食を或いは夜食を自分で選択して口にするしないは可能だが、義務教育の環境の中での食事管理は親以外の誰がするのか。学校給食を除けば当然毎日の朝、夜の食事を与えるのは親の責任だ。高校生にもなれば親の手を借りなくても料理ぐらい自分でできる。栄養バランスも考えて材料の取捨選択は可能な筈だ。
私の子どもの頃は目覚めるのは母が台所で材料を刻む包丁で俎をたたくリズミックな音だった。これが所謂「お袋の味」というやつだ。子どもはそれを見よう見まねで学習して覚えて行った。現在の子どもたちはそのような母親の姿を目にすることが少なくなっている。共稼ぎが浸透して台所に立つ母の姿を見ることが少なくなってしまった。見よう見まねも不可能になって、テレビ局の、女性を蔑むような番組の中で包丁も使えない、調味料に何を使うか、その匙加減すら知らない若い女性が増えて物笑いにされている。しかし、そのことが恥ずかしいことと認識する女性もまたいないし、その必要もないと言い切る女性もいる。
一方文部科学省の調査によると、現在「肥満」とされる小中学生は20年前の約1,5倍に増加したとされる。厚生労働省は2010年度までに肥満の小中学生を7%以下にしたいと考えていいる、という。
子供たちの肥満はローレル指数で表すのだが、これは身長と体重から計算するもので160以上で肥満と云われている。これらは豊かな食生活や運動不足からくるものだが、このままだと40歳を越えるころには肥満によるリスクは非常に高くなる。現在の子どもたちにも動脈硬化や糖尿病などの若年性成人病が広がりつつある。
厚生労働省は生活習慣病対策として、大人になってからでは遅過ぎるとの見地から子どもの肥満対策に新たに取組む方針を決定した。小中学生のときから栄養バランスのとれた食事を摂ることが施策の柱となる。来年度から5都道府県の10ケ所をモデル地区に選定する予定になっている。日本には古来から「一汁三菜」と呼ぶ朝食の献立がある。ご飯に汁もの、それに三種類のおかずが基本になったものだ。一人ずつ用意され、食べ過ぎることもなく、沢山の材料の栄養のバランスもよく、(温泉ブームの昨今日本旅館の朝食を思い出せばいい)先ず肥満の心配はない。ところがアメリカナイズされた日本の家庭の朝食とは逆に、海の向こうでは日本食の良さが認識されもてはやされている、と聞く。
昔からそうだが、海外の美術館、博物館に展示されている日本の芸術品。典型的なものに浮世絵、錦絵がある、その昔、海外へ発送する壊れ易い物品の包装紙として特にフランスへ向けて海を越えて行った。当時のフランスは芸術の都として世界に君臨していた。そのフランス人、芸術家たちがその包装紙を開いて驚嘆した。多くの芸術家が日本に憧れ、印象派の画家たちは自分の作品の中に浮世絵を取り入れ、構図を真似、色を真似、写楽のデフォルメを学んだ。日本の国内では屑同然に扱われていた作品が、フランスと云わずアメリカに、イギリスに当時日本では珍しかったギヤマン(ただのガラス製品だ)などとも交換されてどっと流出した。北斎の木版画の版木など大量にアメリカの美術館で発見され日本は垂涎の眼で見ている有り様だ。気がついた時には殆ど手遅れの状態になっていた。他所の国、他所の人に良さを見い出されないと、日本人は自らの良さを認めたがらない。食生活においても菜食中心であった日本人が現在肉食動物のように肉を喰っている。
食生活の乱れに加わって運動不足がある。家の中に燻ってゲームやパソコンと睨めっこ。確かに現在の物騒な世情を考えれば外に出るのも命がけにはなるだろうが、太陽の光を浴びる時間は極端なほど短い。家の中でなければ塾の中。子どもたちの体力に関して立ち幅跳びに関しては20年前の女子の跳躍力に及ばないところまで弱体になっているのだそうだ。
テレビに写る物食う番組で口を動かす運動不足の「でぶタレント」たち、故人になったが渡辺文雄が初代の「食いしんぼう万歳」のスマートな歴代タレントが懐かしい。クローズアップされる醜いでぶたち、彼ら以上に吐き気を催す映像は歌舞伎の女形ぐらいだろう。少年たちの軟弱な容姿と並んでブラウン管(我が家のテレビは未だにアナログだ)が腐るような気分になる「おかま」と並ぶ醜悪な画面だ。肥らないと生きていけない関取の世界だが、引退後は皆見違えるようにスマートになる。ふやけて痩せるのではない、人一倍若い衆との鍛練があるから肥っていてもでぶじゃない。
世の親たち、己の子があのような醜悪な物体にならないように食事管理をして欲しい。子どもたちの食事管理はあなた達の責任だから。
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