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2005年12月 9日 (金)

無資格で診療

無資格で医者に成り済まして診療8年、その間の年収がなんと2000万円。それ以上に驚くのが8年もの期間その事実が見抜けなかった多くのチェック機関だ。

97年から8年間に亙り約20ケ所の病院などに勤め、縫合などの手術までやっていたらしい。見よう見真似にしては腕は確かだったらしく、ある総合病院では「問題もなく、処置は丁寧だったと聞いている」などと呑気なことを云っている。問診や投薬をしたり、工場の診療室の外科、内科医、総合病院の当直医としても掛け持ち勤務をしていたという。この男実際は高校を中退だったが「慶応大学医学部卒」を自称し、医者採用面接には偽造した医師免許証をコピーして示していた。

無免許で医療行為を行った本人が許せないのは当然だが、このような人間が何の疑いもなく採用されるチェック方法に驚く。それも1度や2度じゃない、20ケ所の医療機関が見逃しているのだ。医者の採用に当っては医師免許証のコピーだけで許されるのか。大学医学部の卒業証書など反古同然で必要はないのか。そうじゃないはずだ、人の命をあずかる職業として採用する側はコピーでない原証書類に目を通すべきだろう。

無資格を云う前に、このような仕組みが存在することのほうが何倍も怖いことだ。小児科の医者が不足がちと聞く。隙間を縫ったこのような不逞の輩が再び現れないように反省の上、しっかりした仕組みを作るべきだ。上に書いたような総合病院の呑気なコメントで済んだから良いようなものだが、ミスが起こってでもいたらどこが責任を取ったのだろう、考えるだけで本当に恐ろしい話だ。

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