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2005年12月19日 (月)

見出しの言葉

毎日新聞(12/18)から

先ず使用されている言葉に驚いた。それは福岡の中学で起こった。昭和一桁以上の人間には忌わしい響きを持つ言葉『召集令状』。これを生徒に発した、と書いてある。大きな活字で 生徒に召集令状 続いて「いかない」回答に「非国民」

こう書かれていれば、福岡の中学校で、生徒に召集を掛けて、何処へか‘いかない’と答えた生徒が先生から「非国民」呼ばわりされたものと解釈する。今どき召集令状も可笑しいし、非国民呼ばわりも可笑しい。記事を読み進めて行ってやっと内容が朧げに分って来た。自分の頭が可笑しいのかとも思ったりしたが、やはり表現が分かりにくい。昨日の「間の抜けた新聞記事」もそうだが、文脈が変だ。

社会科の担任教諭(48)が授業で「臨時召集令状」を二年生全員218人に配って戦争参加の意志を聞き、「いかない」と回答した女子生徒に「非国民」と書いて返却していたことが分かった。 なおも読み進めて行く。探偵小説(推理小説--‘たんていしょうせつ’では短艇小雪となって〈ことえり〉の相変わらずのバカさ加減がむき出しになった)じゃあるまいし、簡潔な見出しが考えられないのだろうか。

例えば、生徒に召集令状 を→ 召集令状を読ませ とするだけで中学校の出来事であることが分っているのだから読み手も理解が早い。

教諭は10月27、31日の授業で「第二次世界大戦とアジア」を行った。その授業で副教材の「臨時召集令状」をコピーし、裏面に戦争に「いく」「いかない」のどちらかを丸で囲ませ、その理由を記入させた。選択で意思表示をしたのは218人中208人で、白紙が10人。現今流行のジェンダーらしい、女子生徒にも同じ質問を出している。(外国での女性兵士、日本でも女性自衛官はいるが)白紙が10人だけとは驚きだが、女子生徒が何人の学校なんだろうか。勝手に男女半々と推定して100人からなる女性兵士が誕生することになるが、教諭は喜んだのだろうか。男子生徒の考えはどうだったのだろうか、何一つ判らない。「いく」「いかない」の比率はどうなっちたのだろう、記者は取材で質問しなかったのだろうか。

今、今回のような設問をする意味は何だろう、敗戦後60年、一年中下らないドラマから真剣に戦争を捉え直す論文が溢れたが、反省はいいが、2005年の価値基準で判断することの危険性を十分認識しているのだろうか。今だから言える言葉、疑問、反論、拒否は60年の昔には到底当てはまるものではない。「非国民」と書いた教諭の頭の中はどうなっているのだろうか。女子生徒がいかないと書いたことは当然のことで、当時は戦争は男のするもの、国を護り、死ぬことは男の本懐(好むと好まざると)とし、女の出る幕ではなかった。女は男の居なくなった留守を守り、空しいことと知りつつ男の帰りを待った。「いかない」と回答した女生徒のどこが非国民なのか。

女子生徒の書いた理由はこうだ。
「戦いたくないし死にたくないから。あと人を殺したくないから」これに対し、教諭は赤ボールペンで「X」印を付け「非国民」と書き入れて返した。当然女子生徒はショックを受けたし、それを知った女子生徒の保護者らは「社会科の教諭を代えて欲しい」と話している。

町教育委員は、非国民と書いたことについて、「確認できず分らない」との回答。なぜ確認できないのか、証拠はいくらでもあるだろう、取材した記者は何を読者に伝えたいのか一向に理解できない。確認できない、と云った上で授業の狙いを
①召集令状の持つ意味を理解させる
②生徒の歴史認識を掌握する
などとしており、「決して思想信条を調べるものではない」と説明している。と結んでいる。


ここまで新聞記者のレベルは低いのか、もっと突っ込んだ取材がどうしてできないのだろう。教諭が何を求め、何を教えたいのか、教諭自身は召集令状をどう理解しているのか、戦争にいくか、いかないかが子どもたちの心に何を考えさせ、最終的にどちらかに丸をつけさせたのか、教諭が本質的には戦争をどう見ているのか、歴史認識が全く欠けている教諭、この教諭に教えられる子どもたちは、いずれ小泉首相のような薄っぺらな歴史観、戦争認識しか持てない人間になるんだろう。

難関をくぐり抜けて来たはずの新聞記者諸君、国語力をしっかり養って、もっと勉強してほしい。


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