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2005年10月26日 (水)

色は匂へと

tsubakix


東京・中野区・哲学堂にて




いろはにほへと ちりぬるをわか よたれそつね ならむうゐの おくやまけふこえて あさきゆめみし ゑひもせす ん(京)

この言葉は小学生の頃、誰でもひら仮名を覚えるのに、何度も繰り返し口ずさんだことを覚えているだろう。
弘法太師(空海)の歌とも云われるが、これは日本語48文字を、あいうえお と共に諳んじるための極めて優れた記憶法として古くから知られている。教師は口唱させた後、小学生には難しくても文字や言葉の意味を教えてくれた。何故、ちりぬるを、 であって、 ちりぬるお、ではないか。

色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日越えて
浅き夢見し
酔いもせず

歌の意味を解説するのは私の専門ではない。現在テレビを始めとする電波に乗って耳に入る歌の数々に、あまりに酷い日本語の語韻を無視したものが多く、極めて不愉快な響きで唱われる曲が多いことに腹立たしい思いをしている。英単語が複数のシラブルで構成されており、一つの単語を複数の音符に分解できることを日本語に持ち込み、意味不明の歌にしてしまう。唱っている歌手たちも日本語自体の発音が悪く、外国語もどきの発音と相俟って何を云っているのか全く解らない。加えて日本語の語彙に乏しく、表現が出来なくなると意味不明の言葉を挟んでみたり、外国語(殆どは英語だが)をくっつけてみたり、無国籍ものの歌にして、誤魔化して有頂天。どうして日本名を避けるのか、競い合っている売れ筋ランク、タイトルは横文字、カタカナの行列。いずれにしても生まれては消えて行く泡沫歌手、世代を越えて残る歌など皆無に近い。余りに独りよがりの歌手、グループが訓練もしない狭い音域の咽で、うす汚い裏声の奇声を発するのを競い合う。こうすれば仲間だとでも言いたげに、髪を黄や赤や茶に染め、浮浪者まがいに汚らしく伸ばし、最近では不精髭を伸ばす物まねのオンパレードだ。自分の、自分達の個性を持ったミュージシャンも皆無。耳に訴えるものが物まね、目に飛び込むものも物まね、今の日本のポピュラー音楽界は西洋音楽の亜流の亜流で人気を競う。付和雷同の国民性、どこまで西洋音楽にへつらうのか。銭を払って聴く歌など全くない。一年後にはそんな歌手、そんなグループなんか居たっけ?のレベル。

外国では『スキヤキ・ソング』で知られる歌を唱った歌手が、歌の日本語を駄目にしたはしりに思われる。彼の発音は タ行 においてひどく目立ち、「た」は「つぁ」に聞こえ、「ち」は「つぃ」に、「て」は「つぇ」に、「と」は「つぉ」に聞こえて来た。現在の若者たちの 「て」が尻上がりの「てぁー」に、「で」が「でぁー」に、「ね」が「ねぁー」に比べるとまだしも可愛いげがあるが、上の歌手の発音は現在多くの歌手が無意識のうちに真似るところとなって、綺麗な日本語の歌を綺麗な正しい発音で聞くことは極めて少なくなっている。

作っても作っても忘れ去られるものの方が圧倒的に多い歌、殆どメロディーをを無くし、ビートとリズムだけのラップ、レコードを引っ掻き、喧噪の中で鳴る騒音。歌詞はメッセージである筈なのに聞く人には何も伝わらない、スキャットのほうがまだ音楽性が豊かだ。自分達だけのマスタベーションで終わる音など耳障りなだけだ。

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コメント

超古代・石器・縄文・弥生・飛鳥・天平・奈良・平安・鎌倉・室町・安土桃山・江戸・明治・大正・昭和の時代を経過し、そして、今現在の平成の時代に日本人の言葉が存在しています。しかし、超古代から今現在に至る迄の間の中で言葉自体の発声音が時代毎に変化している為、現代人が平安以前の言葉の発音が全く異質的のように聞こえてしまうようです。それから、確か!桓武天皇の時代頃迄には日本本土にはユダヤ人・ペルシャ人・チベット人、また、中にはインド支那や東南アジアなどから様々な民族や人種がユーラシア大陸による陸路と船による海路などで日本に辿り着いた渡来帰化人や超古代から日本全土に土着していた原日本人とされるアイヌ民族や琉球民族などが数多く存在していたようです。そうした様々な民族や人種が現代の日本人として日本語となる原語が形勢されたようです。因みとして、現代の日本語の中で数え方にはイチ・ニー・サン・シー…の言葉とヒー・フー・ミー・ヨー…の二分した原語が存在し、そのイチ・ニー・サン・シーの数え方はチベットが語源とされ、ヒー・フー・ミー・ヨーの数え方はユダヤのヘブライが語源とされている説があるようです。また、日本国内には各地域や各地方によっては博多弁・関西弁・江戸弁・東北弁などの様々な方言や訛りが存在しているので標準語や共通語源の基本的なアクセントや発声も各地方や各地域によっては微妙に異なっているようです。関西人にはダをヤにしているでしょう。また、江戸っ子と呼ばれる東京下町に生まれ住んでいる人間はヒをシと発音したり、マッスグをマッツグと発音したり、鮭の発音をサケと発音する人とシャケと発音する人もいるでしょう。また、日本の漢字には音読みと訓読みがある所為で、一つの漢字の中には多種多様な言葉が複雑に存在しているので、外国人から観れば、日本語が不思議なぐらいに難しく感じるようです。最後に、現代では日本の歌謡曲には日本語を横文字的で英語混じりの帰国子女的な感覚で歌い方をすれば若い世代にとっては流行の先端となるのでしょう!。

投稿: 間吊田和志輿為 | 2013年10月29日 (火) 01時12分

きゃりーぱみゅぱみゅとミャンミョンボン号の発音は似たり寄ったりで日本語としての滑舌が難しい限りです。

投稿: 間吊田和志輿為 | 2013年10月29日 (火) 01時43分

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