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2005年10月 5日 (水)

子育て

毎日新聞紙上に「マザーネット」社長の『上田理恵子のサポートします』という欄(全部文字で埋めても1000字に満たない)がある。
十月三日に次の相談が寄せられていた。「保育所に行きたくない」5歳になる娘にどう対処したらいいのか、という母親の相談だ。
先ず驚いたのは母親の取った手段だ。少ないスペースに相談と解答(‘見出し’に女史の顔写真を張り付けてあるから内容は大雑把になる)が書かれるから細部の状況は把握し難いが、メールで発信したことだ。何はともあれそれほどに心に掛けることならば、事実確認のために母親としては取りも直さず体を動かして保育所に事実確認に伺う行動を取るのが先決だろう。何でも携帯電話やメールで間に合わせようとする風潮そのままじゃないか。どうしてお互いの顔を、目を見て、耳で聞いて話をしないのか。

家では『どうして?』と聞いても、『いやなの、おばあちゃんちに行きたい』と泣くばかりだという。無理矢理に連れて行ったものの、しがみついて離れない。もともと保育所が大好きで、先生や友だちに囲まれて楽しんでいると思っていた。何と云う無責任、『思っていた』だと!。わが子が保育所でどう一日を過ごしているかも知らないで一体自分はどう過ごしていたのか。私が繰り返し説いているように、保育所は小荷物一時預かり所そのものとして利用されているのが現実だ。この母は或いは勤めに出ていたのか、年齢が書かれていないから、このバカ母の生活は見えないけれど、勤めがあるにしても、わが子の悩みを解決する以上に大事な仕事なのか。メールを打つ前に保育所に顔を出すことも考えられないのか。子どもの悩みを、子育てを、メールで済む程度にしか理解していないのか、母親の愛情はこういう時にこそ子どもは感じ取り、信頼、尊敬されることに繋がって行くものだというのに。

寝る前にそれとなく聞いてみると、『だって、Nちゃんとけんかするもん』という。その子は一番仲良しのお友達であったのに、関係に変化が起こったのかも知れない、と感じてはいたらしい。

相談内容はここまでで、この後解答が来る。情けない考えでよくもこれで解答か、と思える。
こうだ。子供の世界にも、様々な人間関係があるものです。ポイントは子供からの小さな危険信号を見逃さないで、子供の心を抱き締めてあげることだ、という。ポイントの狂った解答だ。この程度の母親でも曲がりなりにも危険信号を掴んだから相談している者にこの解答はないだろう。

そしてこのケースの場合、子供としっかり向き合って、保育所での様子についてじくり話あって見て下さい、だって。追求する云い方じゃなく、子供が話し易い雰囲気作りを心掛けましょう。それから傑作なのは、母親が母親の職場で周りの人とうまくいかなくて悩んでいる、と話して聞かせ、そういう時には「お母さんは、こういう風に解決しているのよ」と話して聞かせるのも良いでしょう、だって、バカもの!母親が周りの人と上手くつき合えないことを告白して聞かせ、大人の思惑や心理で解決する方便を教えてどうなるのか。恐らくこの母親なら『口では言えないからメールを打つのよ』なんて教え兼ねない。

最後に、友だちとうまくつき合って行く方法は、試行錯誤を繰り返して習得して行くものです。親が「いつも応援している」というメッセージを伝えられれば、子ども自身で乗り越えていけると思います。と結んでいる。

一見相談には応えたかに見えるが何一つ的を得た解答はない。母親を諭す方が先決なのに、識者ぶって当たり障りのない文章を書いただけ。相談する側がバカなら、解答した側も阿呆だ。

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