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2005年10月19日 (水)

父親と子 その1

少し前、毎日新聞の投稿に東京都品川区にお住まいの37歳の主婦から『「お父さんも一緒」増えてほしい』との内容の一文が載った。10/6日の本紙夕刊で見た記事で未就学児が母親と過ごす時間が5年前より増えている旨を読んだ。子を3歳まで身近に育てる段階で、母親が子から受ける「かわいい」という感情を思い出に、その後の子の成長段階で起こる挫折や反抗や、或いは世を拗ねる生き方をしたとしても、親は見捨てることがない。と聞いたことがあるのでお母さんと一緒の時間が多くなるのは、双方にとてもいいことと感じた。とある。

父親の方はどうか、反対に接する時間は減少傾向にあるという。
そこで、翻って自分の家庭を見ると、ごっこ遊びや読み聞かせ、折り紙なら得意分野だが、外での遊びやゲームは苦手である。一方、父親は仕事が大変で暫くでも土、日の遊び相手にならないと全く父親の存在を忘れたようになる。しかし、休日に父親が居ようものなら朝から外出の誘い、ゲームの相手にと、家の中が明るくなる。よってタイトルのように「お父さんも一緒」の日が増えてほしいと望んでいる、となる。

上の主婦が目にされたのは国立社会保険・人口問題研究所の白書を毎日新聞が抜粋したものと思う。この
第1編
 第1部 少子社会を考える─子どもを生み育てることに「夢」を持てる社会を─ 
  第2章 自立した個人の生き方を尊重し、お互いを支え合える家族
   第4節 親子
    1 母親と子
    2 父親と子
が参考になっている。この章に入る前に
 上の第1部の序章 少子社会を考える
を眺めてみたい。ここでは21世紀の日本は、人口の減少、高齢化の世紀であることを取り上げて、今後団塊の世代の子どもたちが高齢期にさし掛かる頃には、日本の人口は今よりも2割減少し、高齢化も32.3%に達すると見込まれていることを踏まえ、貧しく、多産だった時代を振り返るのではなく、「男女が共に暮らし、子どもを生み育てることに夢を持てる社会を」をどのようにしてつくっていくか。それが誰もが「安心して老いることのできる社会」の基本条件でもあると結んでいる。
 資料として各国の家庭生活についての満足度を比較したグラフがある。
  イギリスの71.9%を筆頭にアメリカ、タイ、スウェーデン、韓国と続いて日本の45.1%となる。
 反対に不満とやや不満を加えた比較では
  韓国の10.7%を筆頭に日本、イギリス、アメリカ、タイ、スウェーデンの3.1%となっている。
プラス要素、マイナス要素を見た時、福祉国家といわれるスウェーデンが満足度においてイギリスよりも9ポイント強も低い数値となっている。しかし、これこそが数字のマジックと云われるところだ。もともと国の水準が違っていることを分かった上で見ないと単純な数字の比較で終わる。老後の生活のためといって若い頃からの預貯金を必要としないスウェーデンでは、そのためには現役世代は日本では想像もできない高い給与所得税を始め、消費税など高い諸税金が科せられていても、何れは自分が受益者となる。この国の民意に不満はない分けではないが、低くなるのは頷ける。

人間の欲望には限界はない。到達すればそこが基準になる。もっと寄越せ、もっともっとだ、となるのは止められない。貧しい時代、上を見ることを避け、俯いて下を見て働いた。もっと貧しい人は一杯いるんだ、これくらい我慢できないことないだろう、と。飽食の日本、こんな考えは前世紀の遺物となったのだろうか。世界のブランド物の日本進出を待ちわび、オープンとなるや長い行列ができ、「苦しい、苦しい」筈の生活は何処へやらの奪い合いが演じられる。自らが考えることもできなくなって外国から教えられて今、やっと MOTTAINAI に目覚めつつある。世の人々の「苦しい」の声が聞こえても同情はしない。酒の消費は伸び、車の消費は伸び、次から次へ世界のブランドが押し寄せる。私には日本はまだ金余りの国にしか映っていない。

それもそうだろう、と思うデータがある。
財団法人 日本女子社会教育会「家庭教育に関する国際比較調査報告書」1995年3月のものだが。
父母の子育て役割分担の項目(食事の世話をする、しつけをする、など)全7項目の中で生活費を負担する項目が目についた。
女性の 16.5% に対し、男性の 72.2% となっているのだ。

どこの家庭でもそうだとは云わないが、共稼ぎで邪魔な子どもは保育所と云う名の小荷物一時預かり所に放り込み、他人に面倒を見させ、死に物狂いで働いた亭主に生活費を負担させ、せっせせっと金を溜めれば、ブランド物が幾つでも買えるはずだ。そう云えば着ているもの、下げているもの、履いているもの、背負っているもの、身に着けるもの、鼻っ垂れの子どもにも、まだある、犬畜生の着るものまで加わって日本は街じゅうブランドで埋め尽くされているぞ。

長くなり過ぎる、ここらで一休みして肝心の「父親と子」は その2 に廻そう。


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