今は昔
或雑誌の最近の特集記事、代表的なタイトルを列記してみよう。読者以外にすぐにその雑誌名が当てられるか。
もう一度夫婦
HIV感染の彼との人生を選んで悔いなし
定年夫というストレスにどう向き合う
(読者体験手記)
すれ違う快楽 男盛りにして不能・・主婦43歳
こうして元のサヤへ 目には目を、浮気には浮気を!
もう10歳若くなる10の秘訣
(女が年下の男に恋するとき)
ときめきは老いの恐怖を乗り越えさせる特効薬
女を癒すセックスとは?
その一瞬を、壮大な宇宙にまで広げる喜び*
「セクシー」を忘れたあなたなんて
〈李朝風水による“潤い”指南〉
性的コミュニケーション充実で、運気をアップ
日本初のセックススクールに潜入してみれば
(困惑ルポ、妻だって悩んでいます)
“勃たない男”との優しい夜を探して
「感じる」身体は骨盤エクササイズから
(家庭内の難問、奇問・母ちゃん、セックスって気持ちいいの?)
性に目覚めたわが子とどう向き合うか
(読者体験手記)
下半身が痒い—それでも求められる身の哀しさよ(56歳)
浮気の末、私たちを捨てた夫よ**
* ・・・ 恋多き女と云われる女優、彼女の長男よりも若い26歳年下の男を恋人にする秋吉久美子
** ・・ 水戸黄門・初代「格さん」の妻が告発
もうお判りだろう、今日にもテレビが食いついて芸能ネタとして取り上げたことで世間に広まるタレントのクソのような話題だ。一昔前キャバレーの姉さんたちが好んで読んでいた「実話ナニナニ」週刊誌の掃きだめに捨てられているような話題だ。どこの誰が離婚しようと、くっつこうと、何が面白い。このような話題を取り上げた雑誌こそその名も高い『婦人公論』なのだ。
20年近く前になるが、隣家のエリート社員の奥様が旦那に合わせるように毎号愉しみで愛読しておられた。その頃の事、親しくしていた妻が聞き込んできた。‘最近のこの本、読むのが恥ずかしい’と。聞いてみると当時すでにセックス記事が取り入れられ、徐々にページ数を増やす傾向にあったらしいのだ。その頃、総合誌の雄として「世界」「中央公論」そして「婦人公論」があった。どれもA5サイズの大きさで白い表紙に黒のインクで書名が活字で大書されただけのものだった。
しばらく前「婦人公論」を探してみた。どうしても見つからない。知らなかった、ファッション誌と変わらない綺麗な女性がモデル然として写っていた。私たちが学んだ時代の教科書が古色蒼然としたものに見えるのと同じ、時代の変遷をはっきりと思い知ることになった。この表紙じゃあお固い記事は書けまい、女性週刊誌に毛の生えた程度になるのはやむを得ないことか。勢いセックス記事も満載になる。いかに女性は昔から虐げられて来たか、これからはどう主張していけばいいか、あからさまにセックスが表面に出て来る。
“女性の微妙なところの痒みに”“大きな折り返しがついて夜も安心”“窮屈にならないブラジャー”カーテンで隠し、女の子だけを集めて教えた生理の話、堕胎の話などなどの枠を取り払った学校教育。思春期の男の子たちにもはっきりと女体の場所が特定できるコマーシャルが流れる。婚前交渉など何の抵抗もなく入ることができる下地が存在し、妊娠?ああ、堕ろせばいい、薬だってある。と現在の若者たちの罪の意識は薄く、性道徳という言葉すら無意味な状態に置かれているのが実情だろう。これで低年齢化する性犯罪を兎や角云っても始まらない。
そう、そう、ミー・ハーはここでも活躍していた。今をときめく韓流ブーム、題して“韓流美男”シリーズ、が最近号で15人目を取り上げている。
若者たち、これからの日本をどうするつもりだ? やはり“大人が悪い”だけなのか? 明日は君たちも大人になる。
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