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2005年10月22日 (土)

おかしな紙面づくり

毎日新聞(10/22) 本日から日本と海の向こうのアメリカでもプロ野球の頂上対決が始まる。
ページを繰って行って驚いた。日米どちらも1/4ページほどの誌面の記事だがアメリカ野球の方はそれぞれのチームの先発投手のカラー写真が2枚、日本野球はアメリカ野球の1枚分よりも小さいモノクロで阪神・ロッテ両監督の握手する写真。

どう解釈しても日本のプロ野球を下に見るスポーツ記者の偏見でしかない。これだけ取扱いに差をつけるほどアメリカ野球が質の高いレベルにあるのか。日本のプロ野球の放送をしなくても、アメリカ野球の中継をし続けるテレビネット。その興味の中心は、日本のプロ野球界を捨てて去った数人の日本人選手を追い掛けるだけの興味本位の取材に終始する。誰が何本ホームランを打った、彼が何本目のヒットを打った、誰がどれだけの打率を続けている、などなど。おおかたの日本の野球ファンは彼等の活躍に一喜一憂しているわけじゃない。ツアーを組んで観戦に行く一握りの暇な人間もいるが御丁寧に中継することでもない。試合後のインタビューも余計だし、 まして彼等が顔を出すコマーシャルなど見たくもない。大部分の野球ファンは“おらが国”のヒーローやチームを応援しているのだ。

それが証拠にはアメリカ野球でもお粗末なプレーは日本の野球と変わらない。それ以上に日本を捨て去った選手以上の選手は山といて立派な記録を打ち立てている。アメリカから助っ人(おこがましい呼び方だ)として来ても、多くは使い物にならない。逆に日本の野球を学んでチームに戻り、ホームラン王になったりするケースだってある程だ。確かに野球に関してはアメリカは先進国だろう。しかし、現在も、これからも手も届かない、仰ぎ見るほどに憧れる程レベルに差があるものではない。衛星放送に高い使用料を払ってまで無理に見せてもらう必要などさらさらない、彼等の勝手にやらせておけば良いことだ。

テレビといい、新聞といい、どうしてこうも日本のレベルを低く見て、日本のプロ野球の低迷に拍車をかけるのか。今日から始まる日本プロ野球の頂上決戦、誌面のトップに小さくてもカラー写真で載せてもいいのじゃないか。マスコミは挙って日本プロ野球を潰しに掛かっているのだろうか? 巨人の低迷が一つの要因ではあるだろうが、その依って来たる原因(例えば金まみれ、独裁権力、ドラフト制度と逆指名、放送権益等)を追求し、再び興隆させるように働きかけることこそ使命じゃないのか。

サッカーがJリーグを発足させるころ、プロ野球を越えられるか、との意見が圧倒的だったが、法律違反すれすれの博打券を取り扱い、餌で吊った結果が今の盛り上がりを生んでいると見る見方も可能だ。同じことを真似しろとは云わないが、既に一極集中のファンではなく、各地方に根付いて分散した贔屓チームが見せる盛り上がりは、今後の日本のプロ野球界のあり方に一つの方向を示しているのではなかろうか。

マスメディアはスポーツに限らず報道にはもっと慎重になってもらいたいものだ。

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