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2005年10月28日 (金)

女も立ち飲み

最近は女も立ち飲みをするらしい。“立ち飲み”といえば労働者(それも日雇いの)の飲む安焼酎が思い浮かぶ。酒屋の店先でニッカズボンを履いて手拭いを捩じり鉢巻きにしたり、首に巻いた日焼けした男衆が、一杯の焼酎をちびちびと飲む姿だ。その昔、利き酒として酒屋が銭をとって飲ませたのが始まりと聞くが、60年前に日本は戦争に負け、街に溢れた失業者は水で薄めた酒や、焼酎を飲んで一日の憂さを晴らした。たまにメチールを飲んだために失明したり、死ぬ奴まで出たこともあった。東京の新橋駅近辺を始め新宿、池袋や渋谷など山の手線のガード下は屋台が並び、酔っぱらい天国の様相を見せ、立ち小便や吐き出したゲロが混じって異様な匂いの立ちこめる場所だった。

何時の頃からか焼酎はチューハイとカタカナで呼ばれる飲み物に変化し、安酒の認識は色薄れ廉価であることが受け、サラリーマンと呼ばれるようになった労働者(今でも組合は労働組合と呼ぶ)は連帯意識のつながりからか、連れ立っての酒場通いを続けることになる。ビルの屋上には夏になると提灯がぶら下がり、このシーズンはビールが花盛りだが集まる酒好きに女の姿が年を追って増えている。酒の上の武勇伝は男の専売特許でもなく、雌の大虎も見かけるようになった昨今だ。

女が酒を飲むことに全く抵抗を感じていないのが不思議だ。酒を飲む、腹は出る。さあ、大変だ、痩せなきゃ。運動するのは面倒臭い、薬を飲んで試してみよう。次は洋酒にしてみよう、ウイスキーがいいかしら。テレビでも女の酒のみタレントが誰が一番かさぐり合う。昔の女性で酒を飲むのは玄人筋の人たちが殆どだった。一般家庭の女性は先ず正月の祝い酒程度のものしか口にはしなかった。まして嫁入り前の女が口にする飲み物ではなかった。特に焼酎などと云う安酒は女の飲み物ではなかった。時代が変わった、といえばそれまでだが、まさしく戦後強くなったのは女と靴下(これも今ではストッキング、靴下など死語か)と云われる通りだ。

男の社会では酒が一つの派閥を作ることがある。酒が好きな上司が中心になると歓心を引こうと集まる輩が必ず顔を出すようになる。酒の場で出る話題が会社での部なり課なりのテーマになることがある。酒好きのお調子者の集まりで意見が弾み、そのまま会社の延長のような結論になることがある。酒が覚めた翌日、そのテーマが部、や課の意見としてまとまることになる。所謂酒コミュニケーションだ。酒の飲めない人、集まりに参加しなかった人の意見は入らない。酒を飲んで仕事の話が弾む人、飲まないと言えない人、全く仕事の話を拒否する人。酒ののみ方はいろいろあるが、上下間系で飲む酒ほど不味い酒はない。

女の場合、立ち飲みは椅子にかけて飲む酒にくらべれば時間を取られないのが大きな理由らしい。“会社のイライラした気持ちをそのまま家に持って帰りたくない”という女が多いらしいが、飲みに集まる連中はイライラのストレス解消のはけ口に酒をのむのであって、好きな酒の味を楽しむことじゃないのか。ただ、ひとが飲んでいるから私もって、やはり金魚のフンでつながってるだけか。早く家に帰りたいのなら飲まずに帰るのが一番だ。
やはり女の立ち飲み姿はどう贔屓目に見てもみっともいいものじゃない、立ち飲みしない女に比べれば女としては二流品だな。これが偏見の独壇場だ。

暮も近くなって来た。これからあちこちに夜遅く街なかを徘徊する雌虎が増えるだろう。何らかの被害にあっても自業自得だよ。

【白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけれ 牧水】

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コメント

こうべいさん、こんばんは☆
最近の日記はずいぶんと女性に対してのモノばかりですね。
かく言う私も立ち飲み・・・ここで言う立ち飲みって言うのは、おじさまが日本酒や焼酎を飲みに行くような所でしょうか??・・・します。

スタンディングバーなんですけど、全部315円で安いし色々な人とすぐに仲良くなれるし(間違ってもナンパ目的ではございません)大好きです。
確かに仕事の話もするけれど、それは普通の店でもする程度。あとはみんなで楽しくワイワイ。。。やっぱりダメでしょうかね。
まぁ、今は夜シフトなので行けませんけどね。

>男の社会では酒が一つの派閥を作ることがある。

そうですね。でも上司に気を使ってお酒に付き合うとか今は少なくなってきたと思います。上司もヘタに誘ったりしませんしね。
私は上の人に誘ってもらうと色々な話が聞けて好きでしたけどね(20代の頃の話ですが)

>強くなったのは女と靴下

私は、女性は元々強かったんだと考えています。ただ男性社会では「控えめに」しなきゃいけない時代だったからそうしていただけだと。

とかく男性は「女のクセに・・・」とか「女はこれだから・・・」とか「女なら・・・」などとおっしゃりますが、今の男性の方が頼りなく弱くなったと思います。まぁ、この話題は実家の父と私と妹がいると必ず2対1で(もちろん父が1)よく討論になるんですけどね。

女性も外で働く今の時代には起こるべくして起こった現象じゃないですかね。
電車の中で化粧をする女性には同性として「恥を知れっ!」と思いますが「男だからいい・女だからダメ」というのはちょっと抵抗を感じてしまう私です。

投稿: えのっち | 2005年10月31日 (月) 01時08分

えのっちさん しばらくです。
どうやら逆鱗に触れたようですね。

女だから、男だからは関係の無いことです。タバコと同じように女性の嗜好もあるのは当然だと思います。タバコも酒もTPOなのも理解します。

結論から申しますと根本的に私が酒飲みが好きになれない、と云うだけのことです。日本酒であれ、洋酒であれ、果糖酒であれです。飲んだ後、腐った果物のような息で喋り掛けらるほど嫌悪にかられるものはありません。

それと、ブログには何度も書きましたが、酒飲みの言い訳と、それを許す世間の対応です。酒を禁じたアメリカがアル・カポネで失敗した前例があるからでしょうが、体のためには決して良くないドラッグなのに野放しのままなのです。

おっしゃるように男がひ弱になったのは間違いありません。美容院に行き、化粧をし、エステに通う。これも逆に云えば何が悪い?となるのでしょう。

女のくせに・・・、女だから・・を書いたつもりはありません。ハイカラな恵比須であろうと、渋谷であろうと、ただ私は女の人の立ち飲み酒が嫌いなだけです。偏見の独断場と書いた所以です。

投稿: 小言こうべい | 2005年10月31日 (月) 15時08分

こんばんは☆
大丈夫です。別に逆鱗に触れたなんてコトはないですよ(笑)だって、ココはこうべいさんのページで、こうべいさんの考えが書いてあるトコだから、こうべいさんはどんなことを書いても構わないのです。
ただ、私も飲酒・喫煙をきっちりしているので、あたたたたぁ~と思っただけです。

最近毒素を排出するダイエットとか流行ってま
すね。
先週私はシンガポールに行ってきたんですけど、CMでもさかんにやっていました。
確かに私も下着が食い込むような女性をみると「あぁはなりたくない」と思いますが、私の場合はストレスで痩せすぎてしまい逆に太らなければならない状況にあります。

でも、女性がダイエットに励むというのはメディアに踊らされているトコもありますが、男性が望んでいるからやっているというのもあるんだと思います。

女性って、結婚すると特にそうですが、色々と諦めたり変えたりしなくてはならない事があるんです。
名前を変えたり(旦那様の名前)、住む場所が変わったり、仕事が変わったり(もしくは退職したり)。男性は当り前だと思うかもしれませんが、もし女性の立場になったら大変だと分かると思います。
そんな事をくり返していくと、なんか「そこまで変わるのだったら変えていこうじゃないの」って思えてくるんです。
だからきっと、男性が「コレが好き」と言えば、それに近い事をして、アレがダメと言えばやめようなんてしてしまうのです。
女性はそうして今まで生活してきたのだと思います。

確かに日本ではやせっぽっちの女性が多いし、痩せてる事が美徳と(勝手に)女性は思っていると思います。でも、それは好きな人(の為だけではないでしょうけど)の為にしている行為だと思います。

結局世の中には男性と女性しか居ないんだから、お互いに自分の人生を楽しめばいいと思いますが、やっぱり女性は男性を意識してしまうのは致し方の無い事だと思います。

>飲んだ後、腐った果物のような息で喋り掛けらるほど嫌悪にかられるものはありません。

これは女性に限った事ではないですよね。
帰りの電車内では、こんなおじ様がたくさん見受けられます。女性よりよっぽど多いと思います。
以前勤めていた会社では朝から酒臭い男性がよくいました。接客を頼んだら「オレ、今日は酒臭いから」と堂々とそんな理由で断られた事もあります。男性って訳分からない・・・と思ったものです。

まぁ、お酒に関してはあまり私も言えた義理じゃないんですけど・・・ねぇ。
好きなものは好きだし、それを主人も理解して結婚してくれたので「ウチでは」上手くいってると思います^^;

投稿: えのっち | 2005年11月 1日 (火) 02時00分

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