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2005年7月21日 (木)

やはり

毎日新聞(7/21)夕刊 尾瀬ピンチ 栄養過多
やはり、と、云うべきか、当然というべきか。何度となく書いて来た行楽地、観光地に集まる人間たちの質の低さ、マナーの悪さの招いた結果だ。

しかし、待てよ、行楽地は招いた側にも一端の責任があるのじゃないだろうか。“お出で、お出で、お金を落として帰って、”と。その最たる例が日光で騒いでいる猿被害。始めのうちは少なかった猿も今では膨らんだ大集団になっている。今になって“餌付けはしないで”と云ってみたところで云うことを聞くものじゃない。第一人間が、決められたこと、してはならないことの常識が守れないんだから、猿が云うことを聞くわけがない。急に餌の貰えなくなった猿は店に飛び込む、観光客を襲い手に持った物をかっぱらう。食わねば死ぬ猿の知恵だ。それに加えて人間よりも猿を大事にする行政がある。猿よりも人間が偉いとは露ほども思わないが、もっと猿を凝らしめる手立てはないのだろうか。何かと云うと動物愛護を標榜する訳の解らない団体さんもいるが、今は人間さまが猿軍団に逆襲する時じゃないのか。

話を尾瀬に戻して、コケ類の衰退を惹き起こし、この先景観までも変えるのじゃないかと思える原因は、訪れる観光客(ここの場合はハイカーというのか)の弁当の食べ残しや糞便による栄養過多であるらしい。
私も登山は好きであちこち歩いたが、特に水分には気を使った。例えば富士山へは頂上でコップ一杯の水を補給しても往復する間に排尿をすることもなかったし、山を汚す残飯も残さなかった。

尾瀬でも徐々に人が増えたころ、沼の汚染が旅館から垂れ流す生活水が原因で問題になり、対策を講じた。続いて今度は自動車道を設ける計画が起こったが、自然保護の観点から廃案になって今日に到っている。個人的には尾瀬を代表する歌にも唄われる水芭蕉の花は、里芋の花と同じで少しも綺麗とも可憐とも思わないし、ニッコウキスゲは他の何処にでもあるから態々尾瀬に行こうと思ったことはない。美的センスは人それぞれで仕方ないことだ。

調査に当った東京農工大の赤木教授は「ハイカーは、尾瀬では弁当を食べないくらいの気持ちで行くことが必要だ」と話している、と結んでいいる。そう、それでいい、それでも行きたい人は行くんだから。

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