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2005年6月20日 (月)

児童虐待

今、日本に満ち溢れている躾の出来ない親たちのことを踏まえてこの問題を考えてみる。
先ず、多くなった共稼ぎの親たちの一日を追い掛けてみよう。

会社への出勤のついでに子どもを託児所に、或いは保育所に預ける。会社が終わって帰る途中に子どもを引き取る。何と云うことない一時預かりの小荷物扱いだ。帰宅すれば当然食事を与える、入浴させる、寝かせる。若しも遊ばせる時間が取れれば睡眠時間を遅らせることになる。幼児の睡眠時間は少なくとも8時間から9時間は必要だが十分とれている家庭は少ないと思われる。間違って子どもが怪我でもしようものなら自分の育児責任には頬被りして託児所の或いは保育園の監督責任を喚き立てる。親は接しられなかった分遅くなっても子どもの睡眠時間を取り上げ、猫可愛がりの親バカとなる。子どもはそれに慣れる。子どもは十分に狡い。泣き声を止(や)めるタイミングを心得ている。親の心理など完全に見透かしているのだ。子どもなりに無理が認められる限界をどんどん拡張する。

昔の人はうまいことを云っている。躾をするのは三歳までに、或いは三つ子の魂百まで(別の表現をすれば“雀百まで踊り忘れず”となる。因に外国にもこれと同じ諺がある。“揺り籠で学んだことは墓場まで忘れない”と)と云って人格形成は三歳までに出来上がると云って躾の大切さを教えたものだ。それを無視する今の親たちは一時預かり所が未だ少ない、もっと増やせと云って大事な肌の触れ合いの時間を減らそうとする。国もご無理ご尤もと受け入れに大童だ。これでは肌の温もりを知らない子供達が増え続け、親の心を酌めないのは当然だろう。他人ではどんなに心を注いでも親の代わりをすることは不可能なんだ。本当に親なればできる子どもを叱りつけ、時には尻を打つて教える躾などを。

その結果が現在の親と子の断絶に近い家庭環境を作り上げる。金品を与えれば親は子どもへの愛情を与えたと錯覚する。必要もない子どもに無闇な大金のお年玉、小遣いを与える。私の子(男)には高校を卒業するまで小遣いは与えなかった。何故ならお金が労働の対価であることを自身で理解できるまで必要がないから。私たち夫婦の両親からくれるお年玉はその時子どもが欲しがったものを買って残りは家族の生活に消費した。学校での子どもはジュースを購入することを要求する先輩のいるクラブ活動からはきっぱり足を抜いた。後に妻から告白されたが可哀相で小額の小遣いを私の目を盗んで与えたことはあったらしいが。

高校生の子どもに月々三十万円もの小遣いを与えたバカ女優がいて話題になったが、子どもはなるようになって悪の道に嵌った。前にも書いたが、同じように子どもには携帯電話など必要はない。家庭で親と子の会話が交わされていれば無用のものだ。それが証拠に携帯がなかった時代の子どもたちに不満があったろうか。金銭感覚のない子どもの無駄な電話代を親が払って不思議に感じない。世の中が贅沢になり、欲望の問題は一つクリアすればその次と、上限がないことで際限のない上へ上へと高望みすることになる。それが望みどおりにならないと切れる!。普段接して十分な会話をしたことのない親たちはどうしていいか解らずにはらはら、右往左往する。そして最後には体格に優る親は手を出すことになる。 ・・・つづく

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