次の朝、窓から向いの景色が飛び込んで来た。どうしてか訳もなく懐かしい風景。ルネ・クレール、ルネ・クレマン、ジュリアン・デュヴィヴィエ、マルセル・カルネ監督、等々。1930年代の映画が戦後カットなしで封切りされ、「巴里祭」「巴里の屋根の下」「北ホテル」等々、屋根の俯瞰から始まる「巴里祭」のシーン、懐かしいのは、そう、煙突だ!若い頃、映画の虫だったのを想い出す。最上階の開いた窓から白い猫がじっとこちらを見つめていた。この後通過した「北ホテル」の前の運河に架かる階段状になった橋もまた、懐かしく眺めた。