続・やっと淘汰に入った大学
生き残りを賭けた合従連衡*も始まっている。08年4月には慶応義塾大学(東京都港区)と共立薬科大(同)が経営統合し、1952年の日本医科大と日本獣医畜産大以来56年ぶりに4年制私大を持つ学校法人同士の合併が実現した。
* 合従連衡(がっしょうれんこう)は中国の故事から来た言葉で、攻守同盟の政策をいう。
薬学部は近年の新設ラッシュで定員が増える一方、06年度に4年制から6年制に延長された影響で志願者が減少傾向にあり、共立薬科大側に危機感があった。また、09年4月には、関西学院大(兵庫県西宮市)が定員割れしていた聖和大(同)を吸収合併した。
♢10年度から学生募集を停止する市立大学♢
大学名 所在地 定員 学生数 充足率
三重中京大 三重県松阪市 800 657 82・1%
愛知新城大谷大 愛知県新城市 400 158 32・0%
神戸ファッション
造形大 兵庫県明石市 400 165 41・3%
聖トマス大 兵庫県尼崎市 1042 568 54・5%
LEC東京リーガル
マインド大 東京都千代田区 700 226 32・3%
*発表順。定員・学生数は1〜4年生の合計(除・通信制)。
LEC大は株式会社立大。
生き残り策として、より一般的なのが「学制が集まる」学部への衣替えだ。中でも目立つのが、入学定員の充足率が約110%(08年度)と安定的な看護学部・学科への転換で、来年度の学部設置を文部科学省に申請している16校中7校が計画。この中には美術学科を廃止して参入する芸術系の大学もある。
こうした「看板の掛け替え」にはリスクも伴う。00年にスタートした介護保険制度を見据えて急増した福祉系学部の場合は、就職先となる福祉現場の苛酷な実態が知られるにつれて敬遠され、08年度の入学定員充足率は約92%と前年度より8ポイント近くダウンした。再び別の学部に転換する大学も珍しくない。
《教師の聖職、看護・介護の博愛も金銭が伴わないではあり得ない職業になった現在、目まぐるしく目先を変えるのも仕方ないとは思うが、寂しい世の中になったことも嘆かわしいことと思う。》
私大経営に詳しい東京大大学院の両角亜希子講師(大学経営論)は「学制のニーズに合わせて変えていくことは重要だが、例えば看護学部にしてもその大学がある地域で本当にニーズがあるのかよく見極める必要がある。大学統合も理念や目指す方向性が違うとうまくいかない可能性もある」と指摘している。
《現在、有り余る数の大学がある。反面、その大学にある数だけの教室を埋める学生の数は、パラパラの状態なのが実態だ。どうもがこうが、淘汰を進め大学の数を減らさない限り、経営が行き詰まる大学が出るのは目に見えている。現在、中教審で「大学の適性規模」について審議しているという。》
中央教育審議会大学分科会は、先月15日にまとめた第1次報告書では、03年度に緩和した大学の設置認可を厳格化するよう求めたほか、生き残りのために大学が統合や連携をする際に国がサポートすることなども提言した。
中教審の議論を踏まえ、文部科学省は、大学が自主的に定員を減らしても一定期間は削減前の補助金額を受けられるようにする激変緩和策を検討しており、早ければ来年度にも実施する方針だという。
《要するに、具体的な淘汰の手段、方法などには無策、金をばらまくだけのことしか考えが浮かばないようだ。》
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